ハイ、Aizu Advent Calendar 22日目は、ヅ大最速で卒論テーマにAndroidを選んだ残念な人のわたくしがお送り致します。
僕がAndroidに初めて触れた2009年の夏には、右も左も分からない中で手探りで情報を探すしかない状態でした。しかし2012年の今日ではAndroid+iPhoneによってガラケーが駆逐されかけているという、当時から想像はしていたものの本当にそうなってビックリしているような時代になっています。
そんな状況に比例して、もちろん技術書の数も当時とは比べ物にならないくらいに増えています。というか、増えすぎです。
入門書だけで42冊とか何かのジョークやで。
そんなわけで、これからAndroidアプリ開発に手を出したいんだけど、どの本から読んだらいいかさっぱり分からないヅ大生たちに、独断と偏見で選んだ7冊を紹介します。
前略、1次情報を疎かにしてはいけない
Develop | Android Developers
Design | Android Developers
会津の新兵どもへ。貴様らは英語で数学を学び、英語でオートマトンを学び、英語でデータベースを学び、英語でアーキテクチャを学んできた。
今更何を日本語に拘っている! 全ての情報は公式にこそある! 公式を読め!!!
訳:
Androidの公式チュートリアルや公式ドキュメントは、内容だけ見れば大変丁寧で、かつ網羅的であり、更新も頻繁に行われています。また、(技術系の英文全般に言えることですが)日常英会話に比べると、比較的平易な言葉で書かれており、会津大学で数年を過ごした感覚があれば、充分に読解が可能なレベルです。
以降紹介していく「2次情報」としての技術書はしばしば、ページ数の制限などから、重要な点のみに絞って手法の紹介を行なっており、読み進めていく中で疑問に思う点がいくつか出てくるかと思います。そんなときには、公式ドキュメントを紐解き、疑問を解決するのが最も確実な方法でしょう。
それでは、気を取り直して一冊目の紹介に参ります。
自分でプログラムを組むの自体が初めての貴方へ
楽しみながら作ってみよう! はじめてのAndroidアプリプログラミング
- 作者: 塚田翔也
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2012/08/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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id:gabuchan が書いた、まさしく初心者のための本です。
ちょっと派手な電卓アプリを完成させることをゴールにしており、初心者を一歩一歩確実に導いてくれます。
初心者向けではありますが、Android 3.0で登場した画面分割と再利用を容易にした概念"Fragment"や、横フリックで画面切り替えを行う標準コンポーネント"ViewPager"を積極的に利用するなど、イマドキな開発の基本もしっかり抑えている良著です。
値段も2,310円と、技術書の中では割とお安いのも嬉しいところ。
慣れてきたぞ!と思ったときに手元に置いておきたい
- 作者: 江川崇,神原健一,山田暁通,佐野徹郎,郷田まり子
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/08/30
- メディア: 大型本
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!!!!WARNING!!!!
入門と銘打っていますが、この本を1番最初に買ってはいけません。心が折れます。
Androidアプリ開発でハマりがちなカユいところに手が届く、必携の一冊です。いつも手の届くところに置いておいて、「あれ?」と思った時に公式リファレンスよりも先に読むと疑問が解けるかも知れません。
ただし、全体的にエッセンスの紹介が中心であり、1から10まで教えてくれるようなゆとり仕様ではないので、「onClickってどうやると実装できるんだっけ・・・?」とかいうレベルの人がこの本を読むと高確率で死にます。
2冊目くらいに買っておいて、末永く垢がつくほど読み込むのが正しい読み方です。
- 作者: 塚田翔也
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2012/09
- メディア: 単行本
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垢がつくほど読み込んで欲しい本その2。
この本は名前そのまま、「ちょっとこんなことしたいんだけどどうしたらいいだろう」に応えてくれるレシピ本です。
がぶちゃん2冊目だけど別に回し者ではないよ!! #がぶちゃん奢って
130個の収録レシピは、きっと小さなたくさんの「困った」を解決してくれるはず!
買ったらとりあえず目次だけひと通り読んで、興味のあるページだけ流し読んだら、あとは本棚で出番待ちをさせてあげてください。たぶんある程度の規模のアプリを作ろうとすると、常に手元にないと心細くなる時期があるくらいに役立つ本です。
アプリ開発の腕を洗練したくなったら
「アプリをもっと気持ちよくしたい!」と思った時に読んで欲しいのがこの3冊。
- 作者: 宮嵜淳,あんざいゆき,新井俊弘,坂下賢司,山田達司,市原尚久,飯塚智,安藤幸央,谷口岳,安達正,宮田義之,平和樹,坂下秀彦
- 出版社/メーカー: リックテレコム
- 発売日: 2012/08/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まずは、コード側が原因で起こっていた『モッサリ感』を解消するための一冊。
アプリの操作中になんの前触れもなく、いつ復帰するかも分からないまま画面が数秒フリーズしたら誰でも嫌ですよね。そんな嫌さを解消するためのノウハウを初めとして、Java側?からアプリを気持ちよくする方法が詰まった一冊です。
Android UI Cookbook for 4.0 ICS(Ice Cream Sandwich)アプリ開発術
- 作者: あんざいゆき
- 出版社/メーカー: インプレスジャパン
- 発売日: 2012/03/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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次はレイアウトXML側からアプリを気持ちよくするお話。
あなたがアプリを作るとき、InstagramやPathのように、全てのコンポーネント(ボタンやチェックボックスなど)を自作しない限りは、標準コンポーネントのお世話になることになります。
標準コンポーネントにはどのような種類があり、どんな風にカスタマイズや配置を行えば綺麗に見えるようになるのか、それにより見えてくる「Androidらしさ」とはどんなものなのか。
奇をてらった独自UIを作る前に、1度読んで欲しい一冊です。
アプリの気持ちよさを求めたくなったら
iPhoneアプリ設計の極意 ―思わずタップしたくなるアプリのデザイン
- 作者: Josh Clark,深津貴之(監訳),武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2011/06/18
- メディア: 大型本
- 購入: 24人 クリック: 1,153回
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原著の名前は"Tapworthy"、直訳すると「タップする価値のある」という形容詞(造語?)です。別名@fladdict本。
全体的に読み物と呼ばれるジャンルで、プログラムの話は全くと言っていいくらい出てきません。
この本に出てくるのは、iOSの名作における「気持ちよさ」や「タップしたくなるボタン」はどんなものに由来していて、我々がアプリを作る際にはどんなところに心血を注がなければならないか。何を目指し、何をするべきで、何をしてはいけないか。そんなことを教えてくれる本です。
1度ひと通り読んでフムフムと頷いてから、アプリを1本仕上げ、そのあとでもう一度読みたくなるような、そんな本だと思います。
- 作者: 矢野りん
- 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション
- 発売日: 2012/12/26
- メディア: 単行本
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最後の一冊は来週発売なのでオススメもクソもないのですが、simejiのデザイン担当にしてAndroid女子部の部長にしてデザインのカリスマ、矢野さんが実例を上げながらスマートフォンデザインのパターンと在り方について語る本とか、良著の匂いしかしないのです。
単純にいろんなアプリのデザインを見るだけでもたぶん価値のある一冊。
最後に
Androidを真面目にやろうとすると、多様な画面サイズ&縦横比、進化を続けるチップセット、一向に互換性を持たないカメラとGPS、などなどの特異性に頭を抱えることになりますので、できれば手を出すな。どうしてもスマホアプリ開発がしたかったらiOSから入りなさい。(台無し)
それでもなお、Androidからこの魔法の世界に入門したいというのなら、今回紹介した本など読みながら、迷子にならないように気をつけて歩んでいって下さい。
Androidは開発者からすると、まあ、ちょっとクセのあるダメな子な部分はありますけど、なかなか可愛いやつなんです。こういうことを言うようになると、だいたいもう手遅れなので、皆さんはこうなる前にiOSなりWindows Phone 8に退避したほうがいいかもしれません。
それでは皆さん、よいAndroid開発ライフを。
明日は@takuti先生です。よろしく。