React Nativeの抽象化フレームワーク、Expoのv33が先日リリースされました。
今回の目玉の一つは、何と言っても Expo for Web です。React Native for Webを取り込んだことで、Expoで作ったアプリがよほどネイティブな機能を使ってない限り、ブラウザでも動かせるかもしれない感じになってきました。
どうして歯切れが悪いのかというと、当然Expoにはブラウザでの再現が困難な機能も多く含まれているからです。React Native for Webのサンプル集にあるような機能であれば高確率で動くので、安全な範囲で導入したい方は expo
パッケージの機能に手を出さないようにしておけば、かなりの部分は動くはずです。
安全でない範囲で導入したい方への朗報としては、sdk-33ブランチ(執筆時点でf5f35c30)を見ていただけるとわかるのですが、次のようなモジュールのWeb版(.web.ts/tsx
)が実装されています。
import { Video, Audio } from 'expo-av';
import { GLView } from 'expo-gl';
import { SQLite } from 'expo-sqlite';
import { Camera } from 'expo-camera';
import { Accelerometer, Gyroscope } from 'expo-sensors';
どれもインパクトがあるやつですね。だいたいEvan Baconの仕業です。何なんだあの情熱はどこから来るんだ。
ちゃんと実装を見てみると、そんなに魔法は使っていないパターンが多く、普通に 最近のWeb APIってすげーな 、という感じになります。
魔法枠としては、実はfeatureブランチですがブラウザ上でBarcodeScannerを動かすコードもEvan Baconの手によって実験されています*1。何なんだあの情熱はどこから来るんだ。
こんな感じで、単にReact Native for Webを取り込んだだけではなく、従来からあったモジュールに関しても(Evan Baconがほぼ一人で黙々と作業して)Web版がどんどん実装されています。正直、彼の情熱が尽きた時点でメンテナンスされなくなる恐怖があるので、あんまりまだ使おうと思えないのですが、我こそは人柱になろうという奇特な方がいらっしゃれば、ぜひお願いします。
本当はプロダクションビルドしたビルド済みフォルダの話がしたかったのですが、長くなってきたので次回にします。
*1:まあjsQR使ってるだけといえばだけですが